彼のためのデザインだった時代。
2000年代に流行したデザインスタイルのお話し。
2000年代のはじめ、ブラジリアンワックスが世界的に広まりました。
もともとはブラジルの女性たちが、小さなTバックの水着をきれいに着るために始めたケア。
それがアメリカに渡り、セレブたちの間で一気にブームになりました。
当時の代表的なスタイルが「ランディングストリップ」。
まっすぐ細い一本のラインを残すデザインで、
直訳すると「滑走路」。
飛行機が着陸するあの滑走路のように整える、という意味合いです。
海外では少し洒落て、
“Your boyfriend can land safely.”
(彼が安全に着地できるように)
なんて冗談も言われていました。
そう、2000年代は「彼のためのデザイン」だった時代。
ビーチカルチャーのある国では、
Tバックも日常で、ボディケアはファッションの一部。
ブラジリアンワックスは“魅せる美容”の象徴でした。
でも日本人のアンダーヘアは黒くて、
同じ細いラインでも印象が強く見えやすい。
そこで私は、より自然で清潔感のある逆トライアングルの方が
日本人には合うと感じていました。
時代が流れ、
「誰かのため」から「自分のためのケア」へ。
ブラジリアンワックスは、
魅せるためのものから“整えるための美容”へと進化しています。
時代が変わっても、
“清潔で美しく整える”という感覚は変わりません。







