こんにちは、アンダーヘア雑学のHIROMIです。
ブラジリアンワックスのデザインが注目され始めた頃、
世界では“ランディングストリップ”という細い一本ラインが人気でした。
その裏で、日本では「ハート型」が可愛いと話題になっていた時期があります。
あのふんわりとした丸みのあるハート。
実は、単に“形”の問題ではなく、毛質がつくるデザインなんです。
ハートの丸みを作るのは、毛の特性
欧米の方の毛は
・断面が楕円形
・やわらかい
・カールが出やすい
・毛密度が高い
この4つが揃っていることが多く、
丸みのあるハートを作ると、とてもきれいに形が出ます。
「ハートが似合う毛質」というのは、まさにこの特徴が重なっている状態なんですね。
日本の方は毛質・毛量が本当にさまざま
日本人の毛は一括りにできず、
ひとりひとり毛質も毛量も違います。
私はいつも、
「この毛質でハートができるか」
「毛量で丸みが成立するか」
を必ず確認してからデザインを提案していました。
無理に形を作るより、
“その方の毛質に一番似合うデザイン”を選んであげることが、
結果としていちばん美しく仕上がります。
ハートも、実は“トライアングル”がベース
どんなデザインでも、最初の土台は三角形です。
ここが整っていないと、どれだけ上から形をつけようとしてもバランスが崩れます。
私は必ず、
・横になった姿勢で
・角度をミリ単位で調整して
・左右対称を保って
まずは、その方だけの“整ったトライアングル”を作っていました。
この段階でふくらみや密度が足りない場合、
ハートは完成形として難しいこともあり、
最終的にトライアングルを選ばれる方が多かったんです。
でもね。
実はトライアングルの方が“毛色と毛流れが一番きれいに見える”ケース、かなり多いんですよ。
25年以上やってきて思うこと
デザインは流行ではなく、
その人の毛質が教えてくれるもの。
ハート、トライアングル、ランディングストリップ。
どれが正しい、ではなく、
“その人に合う形”が一番きれいなんです。
私は今日も、
その人にとって一番美しい三角形をつくっていく
お毛毛職人でございます。
25年以上、お客様のアンダーケアを見てきて感じることがあります。
それは、昭和世代の方はOラインの毛が少ないということ。
一方で、平成や令和の世代では、しっかり生えている方が多いのです。
なぜ、こんな違いがあるのでしょうか。
実はこれ、時代の食生活の変化と深く関係しています。
昭和のころは、和食中心。
発酵食品や根菜をよく食べていて、腸内環境がとても整っていました。
体の巡りが良く、ホルモンバランスも自然に安定していたんです。
でも今は、欧米化した食生活。
お肉や乳製品、油を多く摂ることで、脂質の量が増えています。
脂質はホルモンの材料でもあり、摂りすぎると
男性ホルモンが活発になりやすく、体毛が少しずつ濃くなる傾向があります。
さらに、現代は座りっぱなしの生活が増えました。
骨盤まわりの血流が滞ると、体が「守ろう」として毛を生やそうとするんです。
そしてストレス社会。
ストレスホルモン(コルチゾール)が増えると自律神経が乱れ、毛周期にも影響します。
つまり、
「欧米食」「冷え」「血流の滞り」「ストレス」
この4つが現代人のOライン毛を増やしている大きな要因なんです。
毛って、時代の鏡。
食も生活も変われば、体毛も変わります。
そして、見えない部分ほどその変化が出やすい。
美容の仕事をしていると、毛の生え方ひとつにまで
その人の生活や時代の背景が表れることを実感します。
彼のためのデザインだった時代。
2000年代に流行したデザインスタイルのお話し。
2000年代のはじめ、ブラジリアンワックスが世界的に広まりました。
もともとはブラジルの女性たちが、小さなTバックの水着をきれいに着るために始めたケア。
それがアメリカに渡り、セレブたちの間で一気にブームになりました。
当時の代表的なスタイルが「ランディングストリップ」。
まっすぐ細い一本のラインを残すデザインで、
直訳すると「滑走路」。
飛行機が着陸するあの滑走路のように整える、という意味合いです。
海外では少し洒落て、
“Your boyfriend can land safely.”
(彼が安全に着地できるように)
なんて冗談も言われていました。
そう、2000年代は「彼のためのデザイン」だった時代。
ビーチカルチャーのある国では、
Tバックも日常で、ボディケアはファッションの一部。
ブラジリアンワックスは“魅せる美容”の象徴でした。
でも日本人のアンダーヘアは黒くて、
同じ細いラインでも印象が強く見えやすい。
そこで私は、より自然で清潔感のある逆トライアングルの方が
日本人には合うと感じていました。
時代が流れ、
「誰かのため」から「自分のためのケア」へ。
ブラジリアンワックスは、
魅せるためのものから“整えるための美容”へと進化しています。
時代が変わっても、
“清潔で美しく整える”という感覚は変わりません。